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2016年に発表されたレ エクストレ ヴェールは、トム フォードがグリーンノートに着目し、秘められたラグジュアリーさを引き出したグリーンノートのコレクションだ。
このヴェール ド フルールは、1970年代風のグラマラスさの決定打とも言える香りをテーマにしたようで、古典的なグリーンノートを、現代的なアイリスとヒヤシンスの華やかさによってフローラルに洗練させた香りとのこと。70年代に一世を風靡したグリーンノートの傑作としてシャネルのN°19が真っ先に思う浮かぶが、果たしてN°19を洗練させたような香りだろうか。
トップはグリーン-スパイシー。最初、ベルガモットやネロリの明るく爽やかな香りが花開くが、すぐにヒヤシンスグリーンと、ピリっとしたバジルが一気に覆いかぶさってくる。
ミドルはグリーン-フローラル。キーンとしたガルバナムの強いグリーンノートと、とてもアロマティックな現代的なアイリスの香り。このグリーンとアイリスの組み合わせは、爽やかなグリーンではなく、濃くて渋く、苦味すら感じる。強烈なグリーンの奥から、ナチュラルなオレンジフラワー、さらにその奥からジャスミンとローズが香る。少しずつ増していく、ジャスミンの華やかな甘い香りはとてもステキだと思う。
ベースはウッディ。ザラッとしたグリーン、アイリスと濃厚なジャスミンに、ベチバーとパチョリの存在感が増すことで、アイリスはどんどん暗くなり、最後にはトムフォードらしい、とてもラグジュアリーな香りに。トムフォードにしては、パチョリよりもベチバーがかなり立っている印象を受ける。
ムエットで嗅ぐ限り、ガルバナムの強烈なグリーン感にかなりたじろぐが、ベースのウッディが非常に濃厚なため、これくらいグリーンをガツンと効かせてくれた方が良いと感じる。
しかしながら、私の肌に乗せた場合、なぜかアイリスが5倍増しくらいで香ってしまう。実際に肌に纏うと、最初の5分くらいはほぼシトラス&スパイシー、グリーンとほぼムエットどおりに香ってくれるのに対し、肌に馴染んでしまうとグリーンやフローラルはどかかに消えてしまい、アイリスとウッディのシングルノート?といった香りになってしまう。
もしかすると、ベースのベチバーやパチョリが、グリーンではなく、アイリスと相性が良くて、香りを強化させているかも知れない。
香り自体は、パウダリーでなくアロマティックなアイリスと、力強いウッディと、華やかなジャスミンが交錯する、嫌らしさのないラグジュアリーな香り。ここにグリーンの爽やかさが立ってくれれば、古典的なグリーンノートを現代的に洗練させた香りになっていたのではと感じてしまう。
では、アイリスの香りという土俵で戦うのであれば、やはり、ディオールのボア ダルジャンに軍配が挙がる。
さらにシャネルN°19も、ヴェール ド フルールと同じように、ガルバナムやアイリスやベチバーを軸にしながら、これでもか!というくらいオークモスを効かせることで、グリーンの良さを際立たせているように感じる。
レ エクストレ ヴェールは全部で4作品あり、実際に肌に乗せたのはこのヴェール ド フルールのみだが、パチョリなどを活かしたトムフォードらしいラグジュアリーなベースには、グリーンが負けてしまうのではと感じ始めている。
むしろ、ネロリポルトフィーノ コレクションで、グリーンがガツンと効いた香りがあったらと思ってしまった。
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