ペンハリガン / オーパス 1870 オードトワレ 口コミ

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doggyhonzawaさん
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4購入品

2017/2/19 01:37:22

オーパス1870。それは、ペンハリガンの伝統と歴史を称えるオードトワレ。英国ロンドン、ジャーミンストリートの一軒の理髪店から始まり、後に「英国王室御用達の理髪師兼香水師」に認められ、2度のロイヤルワラントを受けたペンハリガン。オーパスとは、ラテン語で「偉業」。ならば、この作品は「1870年の偉業」といったところだろう。2005年発売。

伝統と格式、細やかに決められた英国独自のマナーやしきたり。それらのもつ窮屈さに反旗を翻してパンクロックを叫んだのもロンドンっ子だが、英国の文化はそんな孫悟空的な反発すら受け入れてなおかつ、伝統の中に包みこむ釈迦的な絶対的力をもつ。そこには今なお、美しく高尚な文化が多々、継承され続けている。実際、故ダイアナ妃もペンハリガンの製品をよく利用し、そして、ウィリアム王子もブレナム・ブーケを愛用していると伝えられる。

そんなペンハリガンのオーパス1870の香りは。

ペンハリガンのボトルを手にすると、どことなく背筋がシャキッとする。トップ。スプレーした瞬間、ほんのりとした柑橘が立ち上る。そして透明感のあるわずかにスパイシーな香りが重なる。香り高いペッパーだ。だが、キッチンで使うコショウの香りとはかなり異なる。静かでじわりと香気を漂わせる。そこに同じくらいかすかに、しびれるような香りのコリアンダー。それらが混じり合って、温かみのある清潔さを感じさせる香りを展開する。常に冷静で、それでも心の奥に熱いマインドを抱いたビジネスマンのスーツに似合うような香りだ。

やがて、10分もすると、透明感のあるトップは、ややドライなスパイシーさを見せるようになってくる。クローブのスパイシーな雰囲気だ。このあたりからミドル。その下で穏やかなローズが本当にかすかに香っているが、自分の肌では、毎回明確な出方ではなく、時折不意に感じられる程度だ。この柔らかく香辛料の効いたクールな香りが、約2〜3時間ほど続く。

ラストはミドルからあまり変化のないまま、ウッディな雰囲気を残して減衰していく。最初から香り立ちはとても淡いが、それでも手首などでは、静かに長く、薄いウッディとムスクが香りを残しているような展開をする。香ばしいサンダルウッドが主張してくるときと、知的な印象を与える鉛筆の香りのようなシダーが漂ってくるときがある。背後にはいつも、やや高音で鳴り響くムスクの存在が感じられる。ラストまでは、体温高めの自分の肌で、大体5〜6時間ほど香り続ける。

全体的に、天然香料をメインに使っていることが感じられる構成で、特にスパイスとローズ、シダーとサンダルウッドあたりが、本当に消え入りそうにはかなげに香るオードトワレだ。この上品な淡い感じは、ペンハリガンのフレグランス全体の特徴と言っていい。もちろん、保留剤として、ムスクなどの人工香料もブレンドしているが、ことペンハリガンに関しては、仰々しさや派手さといったものはなく、ティータイムや食事の際につけていても、それらの味や雰囲気を崩さない控えめさが持ち味なのだろうと思う。

とはいえ、フランスやイタリア、アメリカ系などの強く派手な主張の香りが好きな方には、ものたりなく感じるブランドではあるかも知れない。オーパス1870もまた、トワレとはいっても、香り立ちじたいは他のオーデコロンより淡く感じられることも多い。

季節は特に選ばないと思う。ただやはり、どちらかというとフォーマルな場面で付けたい香りだ。メンズのトワレなので、カチッとした細身のスーツにはよく似合うと思うし、胸やウェスト、手首あたりに多少多めにつけても大丈夫な手合いだ。至近距離に近づいた時に、「あ、いい香りがする」と感じ取ってもらえるプライヴェート・ゾーン用の香りだと思う。男女や年齢を問わず一度試してみてほしい穏やかさだ。そしてそれが長く続くというタイプの香りだ。

ロンドンのバーリントン・アーケードには、1819年の昔から、正装をして通りを歩き、見回っている番人がいるという。そこは王室御用達ブランドが数々軒をつらねる美しい瀟洒な通り。もし訪れることがあれば、ペンハリガンの店舗がどこか、彼らに尋ねてみるのも一興だろう。バーリントン店は、美しいボトルの中からあなたに合った最適な1本をセレクトしてくれる細やかなカウンセリングサービスが好評だという。そうして、自分だけの香りに出会い、包みを抱いて笑顔で出てくるときには、何とも言えない余韻が心に広がることだろう。

オーパス1870。それは、ウィリアム・ペンハリガンの偉業をたたえる静かなトワレ。店は小さくとも、美しい香りを作ってはお客様の肌にのせ、たくさんの人を夢見心地にさせてきた理髪店主人の心意気を今に伝える香り。

  • ペンハリガン バーリントン・アーケード店 by doggyhonzawaさん
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