エルメス / ローズ イケバナ (HERMESSENCE ROSE IKEBANA) 口コミ

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★キャプテンD★さん
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4購入品

2017/11/13 23:10:45

エルメスのハウスパフューマーのジャン=クロード・エレナは、「数千に及ぶ香料リストの中から、たった200種類足らずの香りを選んで調香に取り組んでいる」とのこと。
※ジャン=クロード・エレナ著「調香師日記」より

新しい香料原料が次々に誕生する昨今で、この創作スタイルは凄まじいことだと思う。
ここまで自分自身に制約をかけるジャン=クロード・エレナが作り出す香りは、それぞれの香りが主張せずに溶け合い、まるで水彩画のような淡い香りが多い。

このローズ・イケバナは、貴重な素材を使用したエルメスの本質とフレグランスの魂を表現した高級シリーズ「エルメッセンス」の一つで、2004年に発表された。
日本の生け花からインスピレーションされたフレグランスで、あえて「イケナバ」いう言葉を使っている。公式サイトの説明には「余分なものをすべてそぎ落とした美しい真髄。日本の伝統芸術である生け花は、花や枝など選りすぐった素材を使って美を表現」した生け花を「フレグランスという形で表現した」とある。
生け花の芸術性と、ジャン=クロード・エレナの創作スタイルは似ていると感じてしまう。
尚、浮世絵コレクターでもある彼は、イリス・ウキヨエという香りも作り出している。


ローズ・イケナバは「早朝に香るバラ。朝露をふくんだような、繊細で軽やかな香り」。

トップはシトラス-グリーン。とてもすっきりしたレモンに、グリーンが効いていて、ライムを思わせるような強いシトラスの香り。

ミドルはグリーン-フローラル。ナイルの庭を思わせるニンジンのような甘さとコクのあるフルーティノートと、少しパウダリーなソープ調に、キーの高い爽やかなティーノートが香り立った、柔らかな甘さのある清潔なティーの香り。その奥から、ややスパイシーなローズが主張してくるが、ティーノートの存在感が強く、ローズがやや物足りない。ローズを名乗る以上、このスパイシーなローズが3倍くらい香っても良かった。
私は嗅いだことがないのだが、この野菜を思わせるようなコクのある甘さが、素材説明にあるルバーブを表現したのかも知れない。

ベースは、ウッディ-ムスキー。ローズの香りは儚く消え、ニンジンのようなフルーティノートと、オリスのような少しパウダリーな淡い残香に、セダーウッド、ムスクが香る。


香りだけみると、柔らかくフルーティな甘さのある、爽やかで嗜好の良いティーローズが、それぞれ主張せずに淡く香るため、清潔感や透明感があり、嫌われにくい香りだと思う。

しかしながら、この香りは高級ラインとしては、キャラクターや高級感に欠けていると思う。
高級ラインである以上、嗜好性など二の次で、希少な素材の姿形がはっきりわかる、世界観に裏づけされた強烈な個性がある、他とは被らない独創的な香りなど、万人向けとは一線を画す特別感が欲しい。だからあえて香水好きは、高級ラインを選ぶわけで、正直、好きな人はものすごい好き、嫌いな人は嫌いで一向に構わない、そういう孤高の香りこそ、憧れを抱く。
(とはいえ私は、この嗜好性と個性の綱引きでは、少しだけ嗜好性が勝っている香りが好みですが・・・)。

例えば、この淡い香りが「京都の庭」として、庭シリーズにラインナップされたとしても、違和感を感じないのはいかがなものかと感じてしまう。

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