【今月の逸品】SUQQU インテンス リッチ アイ クリーム &オリジナル アプリケーター
この秋、「SUQQU(スック)」の最高峰ライン「インテンス リッチ」シリーズから登場した「インテンス リッチ アイ クリーム」。リッチな肌溶け感やエイジングケア効果が魅力ですが、今回フィーチャーするのは、この製品のためだけに開発された、「スック オリジナル アプリケーター」です!
金属なのに冷たくない!? アルミニウム製アプリケーター
デ、デカッ! 存在感抜群ですね~。丸みを帯びたお魚風(?)のシルエットも印象的。
「このアプリケーター最大の特徴は、業界ではめずらしい“アルミニウム製”であることです」とは、開発担当の鵜川知美さん。えーと、金属製のアプリケーターって沢山あるけど、アルミニウム製はそんなに珍しいの?
「一般的な金属のアプリケーターは、肌に触れるとひんやりした感触で、主に目もとをクールダウンする目的で作られています。一方、アルミニウムは金属の中でも熱伝導率に優れ、手の温もりが伝わって“じんわり温かくなる”のが特徴です」(鵜川さん)
▲スック商品開発チーム 鵜川知美さん
アイクリームの開発にあたり、鵜川さんが注目したのは、スックが顔筋マッサージを通して培った「筋肉」「骨格」「リンパ&血流」という3つの要素。
「なかでも目もとは、構造上“血流”を促すことが大切。そのために専用のマッサージャーを作りたいと考えたんです」(鵜川さん)
しかし、既存の金属製のアプリケーターは、前述の通り「ひんやり」するものばかり。血流を促すためにどうすれば良いか、鵜川さんは悩みます。
ヒントは「アイスクリーム専用スプーン」!?
そんな鵜川さんがひらめいたのは、意外にもアイスクリームを食べていたとき。
「たまたま我が家に“アイスクリーム専用スプーン”があって。このスプーン、カチカチに凍ったアイスがスーッと溶ける、不思議な製品なんです。調べてみるとアルミニウム製で“手の熱が伝わってアイスが溶ける”と分かり、製品に応用できるかもしれない!と(笑)」(鵜川さん)
▲アイスクリーム専用スプーン。鵜川さん私物
早速、容器メーカーに「アルミニウム製のアプリケーターを作りたい」と伝えますが、「前例がない」「特殊な形状は難しい」と、一社も引き受けてくれるところがありません。
「“ステンレス”や“亜鉛合金”なら可能と言われましたが、“熱伝導率の高いアルミニウム”でなくては意味がありません。そのときはじめて、“アルミニウム製、しかも特殊な形状の化粧品ツールは、世の中に存在しないんだ!”という事実に気づいたんです」(鵜川さん)
「富山」のアルミニウム工場にたどり着く
次に鵜川さんが連絡したのは、金属加工で有名な「新潟県」の会社。片っ端から連絡するも、やはり同じ理由で断られてしまいます。
「開発期限は刻々と過ぎていきますから、本当にどうしようって……。今度はアルミニウム産業がさかんな“富山県”の会社を片っ端から当たりました」(鵜川さん)
富山県には、建材を手がけるような大規模なメーカーから、洗面器を作る小さな町工場まで、アルミニウム関連の会社が数多く存在しています。
「ここでも断られ続けるなか、ようやく1社だけ“挑戦してもいい”という工場と出会えて……! 発売までギリギリのタイミングでした」(鵜川さん)。
この工場は、お鍋のようなアルミ食器などを扱う、アルミニウムのプロフェッショナル。ところが、「化粧品ツール」しかも「独特な形のアプリケーター」を作るのは初めての経験でした。
デザイン決定までやり取りは30回以上
「最初に3Dプリンターで立体見本を作るんですが、これが想定と全く違って。柄の部分が非常に細かったんですね。柄が細いと手で握る面積が少なくなり、熱伝導の効率が悪くなってしまいます」(鵜川さん)
▲デザイン完成までのサンプルの数々
デザイン完成までのやり取りは、実に30回以上! ようやくあのユニークな形状が決定したものの、次なる問題は「製造工程」でした。
「通常、金属のヘラなどを量産する場合、まず成形してから荒く研磨し、その上にコート材をかけて仕上げるのが一般的です」(鵜川さん)
ムラなく均一にコート材をかけるために、「製品を吊す」ことが多いそう。そうすると、下写真左のように、吊すための「穴」がポコンと空いてしまいます。
▲右:軽く研磨した状態 左:コートがけした状態
「荒く研磨した状態では、肌触りもザラザラで、とてもアプリケーターとしては販売できない。コート材をかけると、さらに熱伝導率が低下し、穴まで空いてしまうという……。ただ、これまでの量産法を踏襲しようとすると、この方法しかありませんでした」(鵜川さん)
数多くのアルミニウム製品を手がける工場でも、このアプリケーターは非常に特殊なケースだったんですね。どうしても「アイスクリーム専用スプーンのようなツルツルの質感を実現したい」と交渉した結果、判明したのは驚くべき事実でした。
鏡面磨きができる職人は、貴重な存在!
「あの鏡のようにツルツルの質感、実は“手作業”で仕上げているんです」と、鵜川さん。エッ、人の手で磨いているってことですか!?
「職人さんが一つ一つその表情を見ながら磨き上げてこそ叶う質感なんですね。しかもこの鏡面磨きができる職人さんは、今では貴重な存在になっています」(鵜川さん)
▲左:荒い研磨の状態 右:職人が磨き上げた鏡面磨き
鏡面磨きは、まさに日本が誇る「匠の技」。しかもその技術は「企業秘密」で、鵜川さんも実際に磨いている工程は見たことがないといいます。ところで、職人の手で一つ一つ磨くということは、当然時間もコストもかかるのでは?
「そうなんです。生産数やコストを考えると、商品化をあきらめないといけないと思うこともありました。もう一つ課題として発生したのは、“無垢の金属が直接肌に触れる”わけですから、発売するためには、厳しい社内の安全基準をクリアする必要がありました」(鵜川さん)
鵜川さんはそれでもあきらめず、関係部署に情熱的にプレゼンを重ね、生産数やコストの問題もなんとかクリア。さらに、研究所で安全・安心を担保する厳しいいくつものテストを実施し、見事全てクリア!
こうして幾多の苦難を経て、業界初の「アルミニウム製 オリジナルアプリケーター」が完成します!
「押す」「流す」巡りを促す独特の形状
「このアプリケーターは、スックが顔筋マッサージで培ったメソッドを生かし、目もとや顔の曲線にフィットして、効率良くマッサージできるように設計しています」(鵜川さん)
先端は丸みを帯びた形状で、目頭や顔の凹みに自然にフィットします。
目頭のツボを先端でプッシュ。手から伝わる温感と、適度な圧で気持ちよく刺激します。
側面は適度な面積と幅を持たせた曲線のシルエット。顔の凹凸に自然に寄り添います。
目もとから頬、首に向けて広い面を流してくのにピッタリ!
目周りだけでなく、広いエリアを効率よくマッサージできるアプリケーター。手のひらから伝わる温感で目もとをじんわり温め、ほぐし、巡らせる、唯一無二の絶品ツールです!
濃密なクリームとの相性も抜群♡
もちろん「インテンス リッチ アイ クリーム」との相性も抜群です。
「アイクリームのテクスチャーも、マッサージを前提に開発しました。インテンス リッチシリーズらしいリッチな感触ですが、なじませると瞬時にとろけてスウッと浸透していきます」(鵜川さん)
これは、テクスチャー内部に水分をしっかり抱え込む「フィックス リッチ オイル」を配合した処方のおかげ。マッサージ中も引っかかりを感じることなく、さらにアプリケーターから伝わる温感で、浸透感もさらに高まります。
まさに、「ラグジュアリーブランドの技術」と「日本の匠の技」を融合した逸品の名にふさわしいアイケア。あなたに感動の肌体験と、イキイキと輝くまなざしを約束してくれるはずです!
取材・文/宇野ナミコ
撮影/広瀬美佳