「かわいくて元気」な生理用品の謎
「illuminate」の活動にワクワクしている@cosmeメンバーさんも多いと思います。まずはどうして生理用品の企画開発をしようと思われたのか、きっかけを教えていただけますか。
――どんなデザインの生理用品だったんですか?
#NoBagForMe 。行為が価値観をつくるから
\\ 新プロジェクトがはじまります //
— illuminate (@illuminate_pjt) 2019年5月13日
illuminate代表のハヤカワ五味が参加する 「#NoBagForMe(紙袋いりません)」で、タンポンのパッケージデザインをしていきます。
生理用品をカバンに入れられることで生まれる、生理は"人前に出してはいけない" の意識を変えられるプロジェクトにしていきます。 pic.twitter.com/YOPkZWFkvx
「はい、オリジナルパッケージのタンポンを年内に売り出せるように進めています。目標はハッシュタグの通り、買うときに紙袋に入れられることのないパッケージです。
私は“行為が価値観を作る”と思っています。生理用品を紙袋に入れられると、人に見せてはいけないものという気持ちにさせられる。そんなのおかしいし、エコでもないですよね」
国外には多種多様な生理用品が
アメリカのタンポン
中国のナプキン
「これ、すごくいいんですよ。中国の100円均一ショップMINISOのものなんですけど、極薄で持ち運びやすく、デザインもかわいいんです」
――こちらのブルーのもかわいいですね! ウェットティッシュのようなシンプルなデザインですね。
台湾のナプキン
「これは台湾のナプキン。メンソール入りでスースーするそうです。アジアにはメンソール入りがけっこうあるらしくて、使った友達はすごくいいと言っていました」
月経カップ、どう選んだらいい?
――そしてこちらは、話題の月経カップですね。こんなにたくさんの種類を見るのは初めてです。
「厚みもステム(先端の持ち手の部分)も、色々種類があるんですよね。厚みは、どちらかというと薄めよりも普通くらいの方が使いやすいと思います。薄いと体の中で開きづらいので。初心者は、ステムにタンポンのように紐をつけられるタイプのほうが安心かもしれません。
私は月経カップユーザーなんですが、とても快適ですよ。最初はちょっと怖かったのですが、慣れるとまったく違和感がなくて。入れているのを忘れないよう、気をつけないといけないくらいです」
「こんなにたくさんの生理用品があるのに、日常では触れる機会がほとんどないので。ショップでユーザーの好みの傾向がわかれば、製品づくりにも活かせます。ショップで使い方の講習会もやっていきたいですね」
自分らしい美しさを楽しめばいい
女性のコンプレックスを武器に変え、悩みを魅力として輝かせるアイテムを生み出してきたハヤカワさん。リーダーシップのある強い女性のように見えますが、出発点のひとつは自分自身のコンプレックスにあったといいます。
――心境の変化はどこから?
「お付き合いしていた人に『俺はそのままでかわいいと思っているんだから。好きな人の価値観を疑うことになるとは思わないの?』と言われて、たしかになぁと。美しさはとらえ方次第なんだと気がつきました。
主に雑誌が美しさの基準となっていたころとちがい、今は情報の数や選択肢が増えてきています。選択肢が増えれば価値観も変わるから、無理に自分を適応させなくていい。自分にあう、自分らしいメイクや肩の力が抜けたおしゃれを楽しみたい。コンプレックスを美しさに変えるような仕事をしたいと思うようになりました」
自分で選んでチャレンジする時代に
――最後に。令和が始まり、これからどんな社会にしていきたいと考えますか?
「最近は『何を選んだらいいかわからない』という人が多いと思っていて。でもそれって、いいことだと思うんです。
今までって“女性はこうあるべき”とか“女性はこういうキャリアを積むべき”とか、結構レールが敷かれていた。だから選ばなくてよかったし、選べなかったとも言えます。
それが今では選べるようになったし、選ばなくてはならなくなった。選べるようになった時代だからこそ、知識を持って自主的に選ぶ。たとえば生理用品でもいい、自分で選んでチャレンジしてみる。それで良かったという体験を持つ女性が、もっと増えたらいいなと思います。
選択肢が増えて、かつ、納得して選択できるような知識をみんなが持てる社会になったらいいなと」
選択肢が増えると迷うこともあるけれど、それは自由の証でもあります。多様な選択肢から生理用品を選ぶ自由も、今の私たちには必要なこと。
「自分で納得して選び、その選択を楽しむ」という体験を積み重ねた先に、ハヤカワさんの目指す新しい世界があるのだと感じました。
ハヤカワ五味さん
1995年東京生まれ、多摩美大卒業。課題解決型アパレルブランドを運営する株式会社ウツワ代表取締役。 大学入学後にランジェリーブランド《feast》2017年にはワンピースの《ダブルチャカ》を立ち上げ、Eコマースを主として販売を続ける。2018年にはラフォーレ原宿に直営店舗《LAVISHOP》を出店。
取材・文:田邉愛理
撮影:@cosme編集部
出典:生理用品・ナプキン・タンポン総合情報 -@cosme(アットコスメ)-