グタール / ソンジュ オードパルファム 口コミ

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doggyhonzawaさん
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5購入品

2016/11/19 18:37:22

アニック・グタールのソンジュは、前半が濃厚な南国ホワイトフローラル、後半は香ばしいウッディ・ヴァニラという、2つの香調変化が印象的なフレグランスだ。

この香りは、恋人とともにインド洋モーリシャス島を訪れていたカミーユ・グタールが、美しい夕闇の庭園の風景や、そこに咲き乱れていたエキゾティックな花々の香りに心を動かされ、その一瞬に思いをはせて作った香り。そんな彼女の創作イメージをもとに、イザベル・ドワイヤンが調香し、2005年にプロデュースしている。

ソンジュは、フランス語で「夢・夢想・夢幻」。彼女がモーリシャス島の夕暮れどきに感じた「永遠にとじこめたい一瞬」とは、どんなものだったのだろうか?

ソンジュをスプレーすると、いきなり濃厚なホワイトフローラル系の香りが高出力で鳴り響いて圧倒される。うっかり手首やうなじ、デコルテなど、上半身の肌が露出している部分につけると、まず間違いなく周囲に嗅覚的脅威を感じさせるレベル。それほど強い。

ファーストノートとも言えるこの前半の香りは、重く妖しいイランイランの低音、ジャスミンとフランジュパニ(プルメリア)を効かせた中音、ティアレのほのかな高音といった、バランスのよい和音で展開する。嗅ぐ人によっては、全体の印象がマグノリア系やチュベローズ系にも感じられるようなフローラルブーケだ。

このフローラルが、とても女性らしい美しさ、優しさ、包容力を感じさせるものの、苦手な方も多いだろうなと思うのも事実。香りじたいの好き嫌いもあるが、強烈な拡散力に苦手意識をもつ方がいると思う。昨今のライトな香りと違って、付けたところにすぐ鼻を近づけると、頭痛を催してもおかしくないレベル。「これはちょっと強いなあ。この香りがずっと自分から漂っていたらきついかも」そう感じる方もいるだろう。

ところが

驚いたことに、この芳醇なフローラルは、30〜60分ですっと消えていく。あれ?と思うほどあっけなく。そして、全く違った雰囲気の後半の香り、セカンドノートに移行していく。

濃厚なフローラルが去ったあと、静かに顔をのぞかせてくるのは、ややイランイランが残ったままの香ばしい木の香り。公式サイトの構成を参考にするとサンダルウッド系の香料だ。そして、それとともに柔らかくクリーミーなヴァニラが漂ってくる。とはいえ、デザート系のおいしそうな甘さではない。ちょっと焦げた木の香りと相まった、ほろ苦くてパウダリーな大人っぽいヴァニラ。さながら、夕闇がすっかり下りて、リゾートホテルのそこかしこに黄色のライトが灯り、庭園の小道をぼうっと明るく照らし出したかのように、温かみを感じさせるラストノート。

前半のフローラルノートは大体1時間ほどで消え、このウッディなヴァニラの香りは、かなり長く静かに流れ続ける。人にもよるが、穏やかに7時間ほども。アニック・グタールの香りは、比較的持続時間が短い印象があるけれど、ソンジュに関しては長い部類に入ると思う。特に、サンダルウッドとヴァニラのミックスが香るラストが好きな方は、ぜひ試してほしい香りだ。

永遠を感じさせる夏の夕暮れ、南の島の夕闇。そして旅先の窓辺から見た星空。花と木とヴァニラの香りが、そこはかとなく郷愁を誘うソンジュは、そんな大切な思い出に浸りたいリラグゼーションタイムにこそ似つかわしい香りだと思う。付け方はウェストより下がおすすめ。体温で温められた花の香りが、衣服と肌を立ちのぼっていく間に、柔らかな自分だけのソンジュになるだろう。また、前半のフローラルをより長く感じたい方は、ムエットやハンカチ、ティッシュケースなどに少しだけスプレーして身に付けると、心地よい夢の時間を過ごせるはずだ。

最後は少し要望も。アニック・グタールが韓国資本になって久しいが、ボトルやリボンの簡素化とバタフライボトルの廃止には今も反対だ。もともと日本のアニックファンは、人と違った良い物を見つける感度の高い方が多い。実はこのソンジュにも、とても珍しいムーンボトルがある(画像)。こういう「可愛さ」「特別さ」が、長年アニックファンを惹きつけてきた事実をもっと本気で考えてほしいと思う。あとソンジュの液体色が経年変化で超赤くなるのも、大至急何とかして(←たのむ)

気が付けばもう夜。真っ暗な海からゴーッと海鳴りが響いている。ライトアップされたココヤシの高木が、吹き始めた海風に大きな葉を揺らしている。オープンエアーの回廊の隅に置かれた香炉から、インセンスの燻煙が立ち上っている。部屋の窓辺、どこからかココナッツの香りが漂い、鼻をかすめる。

永遠にとどめたい一瞬。それは、二人きりで過ごす旅先の夜の匂い。ソンジュ。

  • リゾートホテルの庭園 by doggyhonzawaさん
  • ソンジュ(ムーンボトル) by doggyhonzawaさん
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