ゲラン / ジャルダン バガテール オーデトワレ 口コミ

この香水は失敗が重なってしまった印象がある。
一つはジャン・ポール・ゲランの作品にしては凡作。
『シャマード』『ナエマ』を作ったゲランの
インスピレーションや才腕が先の二作品に比べ
大いに劣る。破綻が無く美しいがそれだけ。

もう一つは同年にイヴ・サンローランから『パリ』が
発表された事。
このパリは調香師ソフィア・グロスマンの霊感と手腕が
炸裂したような香水で、スペインの貴婦人にもなれれば、
フランスのマタ・ハリ、8世紀ペルシャの王女にも、または
フィルム・ノワールのヒロインにだってなれる、物語のある大作。
それにくらべて『ジャルダン バガテール』はとても寂しい作品。

ジャルダン バガテールを付けるとバガテル庭園に立って、
風に乗ってきたバラや花の香りを感じているよう。
でも私はバガテル庭園をそぞろ歩きしてみたい。
美しいバラを見て、白鳥や孔雀を愛で、シャトー ドゥ バガテルを
拝観したい。でもジャルダン バガテールは独ぼっちで
突っ立ってるだけ。とても寂しい。

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