ラルチザン パフューム / エクスプロージョン オブ エモーション アムール ノクターン オードパルファン 口コミ

アットコスメ > ラルチザン パフューム > エクスプロージョン オブ エモーション アムール ノクターン オードパルファン > 口コミ一覧 > doggyhonzawaさんの口コミ

クチコミ

クチコミ24件中 9件目を表示

doggyhonzawaさん
doggyhonzawaさん500人以上のメンバーにお気に入り登録されています認証済

6購入品

2017/12/24 00:44:28

アムールノクターン。なんて美しい名前の香水だろう。直訳すると「夜の愛」。ただ、それならアムール・デ・ニュイでもいいはず。それを「夜想曲」といった意味合いをもつノクターンにしているのだから、「夜に思う愛」といったような、あふれる感情を前面に出したネーミングにあえてしたのだろう。

あふれる感情、といえば、確かにそれはこの香りのコンセプトそのものだ。アムールノクターンは、2013年に調香師ベルトラン・ドゥショフールが、シーンごとに深まりゆく愛の感情をベースに、人の奥底に眠る本能を目覚めさせる香りとして、ラルチザン・パフュームから発表した特別ラインの香りの一つ。現在、ラルチザンはリニューアルして黒ボトルで統一されたが、その際、多くの作品が廃盤になった。この特別ラインも6作品あったうち、特に人気が高かったラペルトワとこのアムールノクターンだけが通常ボトルとして残ったようだ。

そんな人気の高いアムールノクターン。エクスプロージョン・オブ・エモーションズのシリーズの中では、あふれる優しさと安らぎの気持ち、夜に深まる2人の愛情を表現したといわれる香り。それはいったいどんな香りなのか?

アムールノクターンをスプレーすると、すぐに感じられるのは、深みのあるお香の匂い。そして、スッキリした鉛筆の匂いのようなシダーだ。夜の森。またたく星々。冷たく冴えた冬の空気をイメージさせる瞑想的なオープニング。

やがて5分もせずに出てくるのは、なんと火薬の香り。金属的で粉っぽくて危険な雰囲気満載のガンパウダーの香り。ミドルの中心は意外にもこの乾いた火薬の匂いが強く展開する。瞬時に思い出す。幼き日に爆竹の箱をあけた時のドキドキ感、ロケット花火の束を握りしめた時のワクワク、そして、ハワイで実弾射撃をした後に感じた硝煙の匂い。インセンス&シダーの瞑想を誘うような香りが、心臓をたかぶらせるような匂いに変わったことを知る。暖かな室内。ログハウスのような場所で、暖炉にくべた薪が焼ける音、オレンジ色に揺らぐ炎。そこから立ちのぼるスモーキーな香り。そんな火薬と焚き木の香りのミドルがしばらく続く。

やがてそのドライな火薬の匂いの中に、甘さが感じられるようになってくる。フィグミルクの生っぽい青さ、そしてカラメルの少し焦げた甘さ。火薬とスモーキーなカラメルの匂いのミックスになってくる。それは唐突に、過ぎ去った夏の思い出をフラッシュバックさせる。夏祭りの揺れる提灯。カラメル焼きの香ばしい香り、べっこう飴の焦げた砂糖の匂い、夜空を彩る花火の煙の匂い。そうしたノスタルジックな色を運んでくる甘さだ。

割合で言うと、火薬とお香とカラメルが、5:3:2くらいの比。ただ、ムエットだとわりにインセンスの深い香りが強く長く出るように思う。体温が低めの方は火薬の匂いよりお香のスモーキーが強めに出ることが多いかもしれない。

そして、付けてから6時間ほどでラストの香りに変化する。カラメルの甘さとクリーミーな雰囲気でまろやかに減衰するグルマン系のラストだ。ときにシダーの清涼感を感じることもある。そして、わずかにソーピーなムスクが高いところでずっと香っている。それはとても穏やかなエンディングだ。さながら、ひとしきり愛を確かめ合ったのち、夜更けにソファーでくつろぐひととき。熱いコーヒーに砂糖と生クリームとウィスキーを注ぎ、アイリッシュコーヒーを入れる。二人でマグカップを抱えてゆったりと語り合う時間。低く響くショパンの夜想曲の調べ。そんな静かで優しいラスト。大体付けてから8時間程度でフェードアウト。

全体的に、トップのお香とミドルの火薬が長く続く香り。前半は冷たくてメタリックで乾いていてスモーキー。だが後半は、カラメルの甘さ、フィグのミルキーさ、わずかなフローラルが感じられ、温かく柔らかく甘い香りに変化してくる印象。二人で過ごす夜。その興奮と喜びが、次第に鎮静して安心とくつろぎを迎えたような二極対比を感じさせる香り。冷たい夜の森とあたたかな部屋。薪が燃えるスモーキーな匂いとカラメルの甘く焦げた匂い。恋の導火線を思わせる火薬の匂いと、愛情の深まりを感じさせる蘭の香りの対比。

暖炉の炎がゆらめいている。時折パチパチと木のはぜる音がする。キャラメリゼしたポップコーンの甘さとバターの香りがしている。アイリッシュコーヒーの湯気の向こう、窓の外には鬱蒼とした針葉樹の森の黒いシルエット。夜の底は雪が降りつみ、ほの白く浮かびあがっている。木々の上には満点の星空。

そんな夜に、2人たゆたうための香り。オレンジ色の火に照らされて、夜のしじまに流れていくアムール・ノクターンの調べ。

  • 夜に二人で by doggyhonzawaさん
  • アムールノクターン by doggyhonzawaさん
使用した商品
  • 現品
  • 購入品

doggyhonzawaさんのクチコミをもっとみる

ラルチザン パフュームについて

メーカー関係者の皆様へ

より多くの方に商品やブランドの魅力を伝えるために、情報掲載を希望されるメーカー様はぜひこちらをご覧ください。詳細はこちら

エクスプロージョン オブ エモーション アムール ノクターン オードパルファンページの先頭へ