アトリエ・コロン / セドラエニブロン 口コミ

長かったGWも終わり、一気に上昇する気温と比例して、爽快なシトラスシャワーを浴びたい欲求も強くなる。
もちろん、人によって好みのシトラスは様々、でも「コロン・アブソリュ（コロンのフレッシュ感と、持続性や奥行きを両立させた香り）」という技術を作り上げたアトリエコロンのシトラスは、どの香りも完成度が高い。

なかでも、レモン、ジン、シャンパンのはじけるフレッシュテイストが魅力のフランスでポピュラーなカクテル「フレンチ75」からイメージされたというセドラ・エニブロン（陶酔のセドラ）は、もっとも爽快でビターなシトラスの香り。
確かにビターなシトラスではあるが、よくあるクラシカルなビターシトラスとウッディを合わせたアロマティックな香りとは異なり、創意工夫でレモンの香りを持続させた、純粋にシトラスの香りを楽しめるコロンで、ビターフレッシュなシトラスが好きであれば、男女問わず、特に夏場に試していただきたい香りだと感じる。

トップはシトラス。スプレーすると非常に爽快で酸っぱいレモンと、すぐにかなりビターなライムが合わさることで、弾けるようなフレッシュ感と苦味の強いトラスの香り。まるでレモンを皮ごと絞ったような香りで、このトップの香りを嗅ぐだけで、暑さも5℃くらい和らいで感じてしまう。

ミドルはグリーン-スパイシー。とはいえすぐにレモンのみずみずしさが収まってしまうものの、シトラスの果皮の残香に、ジュニパーベリーやミントが加わることで印象が変わり、まるでモヒートのような香りになる。とても涼しげなアロマティックの香り。そこにバジルのピリッとしたスパイスを加えることで、トップに似たようなビターな爽快感を楽しむことができる。

ベースはバルサミック-ウッディ。バジルの残香に、酸味の強いエレミと、さらにトンカビーンで少し甘さを足すことで、レモンの甘皮のようなシトラス感が再現されている。最後はさらにベチバーの硬質な香りが、さらにシトラス感を持続させる。

シトラスの本来のみずみずしさは5分に満たないものの、スパイシーやグリーン、さらにはバルサミックの酸味やウッディを駆使することで、ビターなレモンの残香のような香りが5時間近く持続する。賦香率（15%）の高さもあるが、何といってもシトラス以外の素材でシトラスのような香りを持続させる技術は刮目に値する。

個人的には、ベースのベチバーやエレミを土台に、ビターなレモンを想起させる香りを積み上げていったように感じる。ゴールから創っていったため、時間が経ってもレモンの香りが崩れることないのでは。
特に、トップのレモンが抜けた後の、レモンのピリッと苦い皮に、すっきしとしたミントとジュニパーベリーが弾ける瞬間がとても好みで、おいしそう。それこそ炭酸がしっかりと効いたモヒートが飲みたくなる、そんな香り。

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