ミラー ハリス / カード ジャルダン オーデパルファム 口コミ

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doggyhonzawaさん
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4購入品

2019/10/26 17:12:05

ミラーハリスといえば、何といっても今年夏に銀座シックスで期間限定ポップアップストアを展開していたことを思い出す。「ボタニカル」をテーマとしている自然派フレグランスの印象が強いブランドだけに、色とりどりの花々をあしらったエスカレーターわきのフロアは、明るく気軽に立ち寄れる空間になっていて好ましかった。

店員さん的には、昨年発売したフォーリッジコレクションやポップアップ初お目見えのヴァイオレット・アイダを売りこみたい感じが強かったけれど、ひねくれ者の自分は話も聞かずに半球型のサウンドドームに頭をつっこんで「これ、昭和の美容室でよくおば様方がパーマをかけるときに頭をズッポシ入れていたアレみたいですよね!!(←スチームドライヤーな)」と騒いでドームの中で歌を歌ったりしていい気分だったにも関わらず、脇を通る有閑マダムたちから「あら、大変な変態がいるわ」という超絶蔑視をくらったくらいにして最高に楽しかったわけだが、まあそんなことはさておき。

そんなミラーハリス。(←どんなや)このブランドでまず思い浮かべる香りといえば、自分にとってはカードジャルダンだ。一番好きな香りならティートニックを挙げるのに、真っ先に出るのはカードジャルダン。「世界香水ガイド2」でルカ・トゥリンに「このブランドのつけるフランス語タイトルは意味不明!」と手ひどくディスられようが、ボタニカルとオーガニックの違いが明確でなかろうが、創業者のリン・ハリスがすでにブランドを去って自分はちゃっかり別の香水会社を作ってようが知ったことではない。ミラーハリスといえばなぜかこれだ。

カードジャルダン、和訳すると「庭園の心」だろうか。意味不明だ。庭には二羽ニワトリがいることはあるかもしれないが、庭に心があるとは聞いたことがないし、あるならどうやればそれが聞けるのか知りたいくらいだ。(←もしかしてあの昭和パーマ器具で聞くのか?)多分に「庭園に込めた心」といったところか。そう言えばミラーハリスはもともとイギリスのブランド。イギリスといえば、世界に名だたる庭園、イングリッシュガーデン発祥の地だ。だとすると、この香水にはどんな「心」が込められているのだろう?

カードジャルダンをプッシュする。とてもみずみずしい。というか、アルコールの香りが強く、本当に水っぽいテクスチャーだ。何だかフレグランスウォーターをスプレーしたかのような感覚。

最初に広がるのは、洋ナシのコクのある甘さとフルーティーさだ。あの独特のふくよかに広がるジューシーな香りがトップで感じられる。クレジットにはピーチとあるが、ほぼ洋ナシだ。すぐさまその下からミモザのような粉っぽい花粉系パウダリーな香りがしてくる。そこまで3分。トップはそんな感じで清廉な白と黄色のイメージ。秋の果実と春の花を思わせる。

5分もすると、洋ナシのこっくりした甘さは薄らぎ、その下から控えめなフローラルミックスが出てくる。ただあまりに淡くて何だかよく分からない。一つはジャスミンのふんわりした香りだ。それにローズのシャープな感じもしてくる。同時に、トップからずっと清涼感のある目に沁みるようなグリーンノートが出ている。ジャスミンと薔薇とそしてグリーンノート。カードジャルダンのミドルはそんなふうに庭園の中だ。ワイルドな野の花のブーケが優しく広がる。それでもどこか冷たい印象があるのはなぜだろう?霧や曇天の多いイギリス生まれの香りだからか。カードジャルダンの庭園は光り輝く晴天のそれではない。厚い雲がたれこめた曇り空の下、ひんやりした空気をまとった、しっとり冷たいガーデンを思わせる。

穏やかで内省的なジャスミンと青いローズのコンボ。その下からわずかにスパイシーな土の香がしてきたらそれがラストの合図。濡れたパチュリだ。ブランド紹介文にはイリスバターやヴァニラがベースにあると書いているけれどそんな感じはない。スッキリしてシャープなパチュリラスト。香水のラストというより、ルームフレグランスの残り香に近いキレのいいドライダウン。持続時間はここまで1時間〜2時間。淡い香り立ちで、確かに頭が痛くなるような強い香料は使用していない。ただ、この軽さをどう見るかだ。ボタニカルでナチュラルと見るか、地味で薄いと見るか。50mlボトルで12500円+税。価値は常に自分の感じ方で決まる。

朝もやのかかった曇り空の庭園。森を抜けてきた冷たい風に花々が葉を揺らすとき、自然はその表情を変え、ゆっくりと色を深めてゆく。その変化は、人もまた季節とともにあり、移ろいゆく自然の一部であることを教えてくれる。四季折々に移ろう自然と自分の生活をそのままの姿で楽しむこと。それが英国式庭園のスタイル。

カードジャルダン。自然とともに、あるがままに。

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