- クチコミ 14件
- 注目人数 人
- 購入者のクチコミで絞り込む
クチコミ
昨年フランスの化粧品店マリオノーで買い物していたときにスタッフさんが「ここ(クヴォンデミニム)の一番人気よ〜」って仰っていたと思います。
ということは甘くて(少なくとも日本人には)濃いんでしょうね、と思って試しもしなかったのですが(初夏だったので)去年の暮くらいから気分がものすごくお香系に寄っていて、ウッドも樹脂もどんと来い、どんどん来い!なお香ハイで「スイートオレンジ&インセンス」のこちらもじわじわ試してみたくなり。他にも試してみたかったサンタクルスが入っていたのでリマーカブルパルファムトラベルコレクションを購入しました。もう数か月経つのですが、いまいちつかみきれずレビューまでちょっと時間かかりました。
ポルトベロは、スプレーした瞬間、淡いオレンジと樹脂系の甘いお香の香り。のっけから甘く深いオリエンタルな香りがします。日によってはグルマン寄りの高級で大人なバニラやキャラメルっぽさのある香りにも。オレンジはすぐに後ろに下がる感じになりはしますが、割と長いこととどまっていて重苦しくなるのをギリギリ押しとどめているかのよう。
そこへややひやっとした、すっきりめのほろ苦さが加わって……なんというか、甘く煮たゴボウみたいな……うん、ゴボウっぽい。もうちょっと素敵な言い回しができたらよかったのですが、いかんせん私のポンコツな鼻には花びら餅に挟まっている甘いゴボウが思い出されます。
しっかりと乾いてゴボウ臭が薄れると次第に香りが和らいできます。あたたかすぎない甘みというか、どこかスモーキーで大人っぽい。煙草調の甘みを感じます。好きな甘さ。子供の頃、まだ元気だった伯父を訪ねていくと晴れた日には庭でよくパイプをふかしながら読書していました。ふわふわと漂ってくるその甘い香りが大好きで。普段はパーラメント吸っている人でしたが、休日はゆっくりパイプを楽しんでいたようです。そんなことふっと思い出して、やっぱり香りと記憶って繋がっているんだなーって。
徐々に徐々に軽さが出てくるのですが、軽くなってからの香りがとても好きです。どちらかと言わなくても重めに始まりあたりにもよく香りが飛んでいっていたのが、とっても上等な生地のふわりと透けるような軽さに。お香が焚き染められた天女さまの羽衣かしらというくらい。ただ周りに飛散しなくなりますので、トップの濃さに期待してしまうと「自分の香りを周りにばら撒き隊」の方には物足りない持続力に感じられるかもしれません。
そのまましゅっと溶けてなくなるような消え方が美しいです。妙な酸っぱさが出たり、嫌な残り方もしないので付け直しも楽。
甘い香りですが、大人の落ち着きがあって男女共に使えるのではと思います。秋冬向き。
なんかようわからんな〜とレビューに手間取ったのは、日によってすごいメンズ感出るんです。ブルガリ系の。ブルガリのプールオムほど嫌いな香りはこの世にないので(くさい!というのではなくて腹痛片頭痛で体が拒否してしまうんです)本当にやめてくれってなるんですが、これがプールオム調に転じてもお腹痛くならなくて。なんなの?ブルガリプールオムは何がいけないの?って。比べるためだけに果敢にもプールオム試しに行って返り討ちに遭いやっぱりお腹下してしまったんですけども。そしてプールオムは何がいけないのかに対する答えももちろん出ませんでしたよね。(ついでに、思ったほどプールオムには似てなかったかもしれないという……無駄骨でございました。)
何にしても、メンズ感が控えめなときでも可愛らしい類の甘さではないと思います。ウッディ系お香系がダメな方はパスした方がよさそう。
担当調香師はジボダン出身のバーバラ・ゾーベライン。現在はドイツのドロムにてシニアパフューマーを務めていますが、ドロムもジボダンに買収されたんですよねたしか。ゾーベライン女史の考える「調香師に必要な素質」は、忍耐・想像力・創造性だそう。香料のほんの僅かな差で香りはだめになってしまうので、正確な量を見極めるのに忍耐が必要なんですって。当たり前かもしれませんが、何度も何度も試行錯誤が重ねられてようやく世に出てきたんだなと思うと、親の仇くらい憎たらしいブルガリプールオムでも可愛く見えてきますし、お気に入りの香りなら一入だなと改めて思いました。
- 使用した商品
- 現品
- 購入品
この商品を高評価している人のオススメ商品をCheck!
戻る
次へ
クヴォン・デ・ミニムについて
メーカー関係者の皆様へ
より多くの方に商品やブランドの魅力を伝えるために、情報掲載を希望されるメーカー様はぜひこちらをご覧ください。詳細はこちら