フレデリック マル / リップスティック ローズ 口コミ

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新真昼さん
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4購入品

2020/3/11 11:53:59

「リップスティックローズ」は2000年のフレデリックマルのブランドローンチの頃からあるフレグランスで、その名前の通りラズベリーやローズのフレーバーが付いたリップスティックの香り。
いかにも昔の口紅についていそうな好き嫌いの分かれる甘いメイクアップの香りのため、日本では正直嫌いな人が多いと思う。

マルがブランドを立ち上げる際に、自身が働いていたルール社からひとりも調香師を選んでいないことに気付き、同社の若手パフューマー向けにコンペティションを開催した。
その中で目に(というか、鼻に?)とまったのがラルフ・シュヴィーガーの作ったもの。パーソナルな香りだが、元気がよくいい構造をしていると感じ、マルはシュヴィーガーを選んだそう。


トップはグレープフルーツ&ヴァイオレット。
といっても、酸味や苦味はあまりなく、ヴァイオレットのパウダリーさと相まってグレープフルーツ風味の砂糖菓子のよう。とても可愛らしく無邪気な香り。

ミドルに移行するとラズベリー、ローズ、アイリスがリップスティックの香りを紡ぎだします。色で例えるならピンク。スッと口紅をひと塗りして色を付けるように、香り全体が一気に鮮やかに色付きます。この部分がかなりワクシーで油っぽく、いかにも「昔の外資系の口紅につけてありそうな」香り。とてもノスタルジックだ。

ドライダウンはホワイトムスク。
ミドルのリップスティックノートにおしろいを思わせるパウダリーなムスク(大量に入っているらしい)のヴェールが被さって締め。持続は5時間ほど。正直にいうと、この香りはフレデリックマルとしてはかなり荒削りのままで、素材もそこまで上質なものは使われていないと思う。マル自身が世話になったルール社への恩返しとしての意味や、若手パフューマーの育成も視野に入れた選択だったと感じている。


マルはシュヴィーガーの香りを採用するにあたり、彼の作ったプロトタイプを一緒にいくらか調整した。そこで付け加えられた要素として、「子どもの無邪気な元気さ」というものがあった。

ラルフの母親は、外出するときは必ず濃いピンク色の口紅を付けていたらしい。
そう、この香水の甘いリップスティックの部分は「母親」、後から加えられた無邪気な部分は「幼い頃の彼自身」だ。
鮮やかなピンクの口紅を付けておめかしした母といろんなところに出掛けたのだろう。
公園、遊園地、ショッピングモール…
この香りは、幼い頃母と共に出掛けた思い出を香りにしたものだ。
異性の気を惹くための口紅の匂いじゃない。
この「リップスティックローズ」は、彼と母を繋ぐ記憶そのものなのだ。


トップ:グレープフルーツ、ヴァイオレット
ミドル:ローズ、アイリス、ラズベリー
ベース:バニラ、ホワイトムスク
調香師はラルフ・シュヴィーガー。
(公式サイトより)

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