- クチコミ 2件
- 注目人数 人
- 購入者のクチコミで絞り込む
この商品は生産終了・またはリニューアルしました。
(ただし、一部店舗ではまだ販売されている場合があります。)
クチコミ
シャリマーのクチコミを見ていた。
「若い子には似合いません(>_<)」
「おばさんの香りです」
そう書いてあった。それも仕方ないかと思う。もうすぐ百周年を迎えるシャリマーは、世界初のオリエンタル系フレグランス。いくら当時の万博で最高賞を受賞したとしても、現代好まれる香りの系統とは限らない。五代目調香師ティエリー・ワッサー曰く、「1925年当時のシャリマーを再現してみたが、現代人が好むかはわからない。」と。ゲランもLVMHの一員である以上、新規顧客の開拓は責務だ。そこでシャリマーを、2011年にワッサーが若向けにアレンジしたのが、シャリマーパルファンイニシアル(日本未発売)。ワッサーが十代の姪っこに「私にも使えるようなシャリマーがほしい(海外でも大人の香りという認識なんだな)」と言われたのがきっかけだそうだ。@コスメの製品情報にはイニシアルローの復刻と記載されているがそれは間違い。公式サイトのフランス語バージョンにそう明記されている。
イニシアルのトップは、元々のシャリマーと同じくシトラスから始まる。酸味の強いベルガモットに、オレンジの甘さがプラスされ、キンキンした酸っぱさがやわらげられている。そして、奥からうっすら香るぱさっとしたアイリスの粉感が元々のシャリマーを思わせる。
ミドルからじわじわと甘さが増してくるのはオリジナルと同じ。キャラメルとムスクのベースを背景に、徐々にターキッシュローズの蜜っぽい甘さがはっきりしてくる。元々のシャリマーはトップ:ミドル:ベースの割合が6:1:3、フローラル感はかなり薄いのだが、イニシアルはローズがそれなりにわかる程度には感じられる。
ベースで幅を利かせているのはキャラメルとホワイトムスク。ムスクの出すふんわり感と粉っぽさのおかげか、キャラメル風味の綿菓子のようだ。シャリマーお馴染みのバニラももちろん顕在だが、オリジナルのようなざらざらとレザリーなバニラではない、可愛い甘み。そこにアーモンドのツンとした辛さにトンカビーン、香水らしさを足す少々のパチュリといったところ。香りの持続は7〜8時間程度。ベースの甘さが主張するため、中々ロングラスティングだ。
イニシアル(シャリマーパルファンイニシアル)と、オリジナルのシャリマーとの相違点は、
・トップ→ベルガモットにオレンジを足して酸味をマイルドに
・ミドル→フローラルの甘さをよりハッキリと
・ベース→バニラに合わせるものを、スパイス&レザー&アンバーからキャラメル&ムスクに置き換えてより現代的に
といったところ。キュートなフロリエンタルの衣装を身にまとったシャリマーだ。ちなみに、パルファンイニシアルはワッサーの自信作だったそうで、シャリマーのフランカーの中ではかなり人気があった。
ところでこのイニシアル、元々のシャリマーパルファンイニシアルとそっくりさん度は80%ほどだと思う。ベゼドゥルシーとモスクワよりかは元々に近い。しかしなんだか、妙にモヤっとしたムスクが増えているように感じる。より現代的なアレンジだろうか?「未知の世界へ飛び込んでいくときの胸の高鳴りの香り」という、たいそうな売り文句が付いているが、高鳴っているのは間違いなくプライスの方だ。
最後に、Persolaiseの記事において、ワッサーはこうも言っていた。
“There is only one Shalimar. But frankly, I work for a company and we're not philanthropists, we have to make some money. The sickness of making flankers every five minutes is very upsetting, but if I don't want to get kicked out for not doing my job, I have to do it.”
トップ:ベルガモット、オレンジ、ジャスミン
ミドル:ターキュッシュローズアブソリュート、アイリスパリダ
ベース:バニラ、トンカビーン、ホワイトムスク、キャラメル、アーモンド、パチュリ
調香師は、ティエリー・ワッサー。
(フレグランティカより)
- 使用した商品
- 現品
- 購入品