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クチコミ
シャリマーは本当にフランカーが多い。マチルド・ローラン作のレジェールに始まり、オーデアラヴァニーユ、パルファンイニシアル、そして近年のスフルドゥパルファン…今年12月に限定販売されたのはこの「フィルトルドゥパルファン」。香りの媚薬という、中々の強気ネーミングだ。
シャリマーらしく、フィルトルドゥパルファンはベルガモットの香りから始まる。苦味は控えめ、アールグレイティーを思わせる。オリジナルのシャリマーはベルガモット一辺倒だが、これにはジューシーなレモンと柔らかなラベンダー(モンゲランで使われているような硬くシャープでメンズ的なラベンダーではない)が足されていてとても優しい。ベルガモットの苦味や酸味を丸くまとめているようだ。
シトラスとラベンダーの下から、じわじわっとバニラとバルサムの甘さが拡がってくる。構成にあるジャスミンやローズは、あまり目立たない。たまにふわりと香りが立ち上がってくる程度だ。イメージとしては、アンバー+バニラの泉にフローラルが溶け込んでいるよう。覗きこむと一瞬ローズやジャスミンが映りこんだ気がするけど、再び覗いても何も映っていない、そんなイメージ。
肌に最後にメインで残るのは、アイリスとバニラ。バニラはややインセンスっぽいスモーキーなニュアンスがあるが、汚れているほどではない。少しザラザラして、パウダリーな質感のある甘さ。上の方では柔らかなラベンダーが香っていて、バニラの甘さが沈みすぎないように持ち上げている。持続は5時間程度。
元々のシャリマーの香りをなぞりつつ、ベルガモットの苦味をレモンとラベンダーで整え、レザーっぽいスモーキーさをある程度抑えたバニラで仕立てたこの「フィルトルドゥパルファン」は、シャリマーらしさをしっかりと残しつつより使いやすくアレンジした名フランカーだと思う。やればできるじゃん、ワサ夫!
久々にシャリマーのアレンジを気に入ったのでしばらく付けていたら、「ひょっとしてジッキーに近くないか?」という疑問がわいたので付け比べてみた。
たしかに付けたてはよく似ている。シャリマーがそもそもジッキーのアレンジなので当たり前かもしれないが、ラベンダーが加わることでよりいっそう近いように感じる。
違いは、ジッキーはだんだんと汚れた香り(個人的にはワキガ系の香りに感じる)が出てくるが、フィルトルドゥパルファンはスモーキーさは立ってくるものの、比較的キレイに制御されている。「キツイ」「お香みたい」と言われがちなシャリマーを、シャリマーらしさをなくし若向けにライトな香りにして(名前だけ借りて)アプローチしたのが近年のスフルドゥパルファンなら、今年のフィルトルドゥパルファンのテーマは原点回帰。迷ったときは初心に帰る、大成功だ。
トップ:レモン、ベルガモット、ラベンダー
ミドル:アイリス、ジャスミン、ローズ
ベース:バニラ、トルーバルサム、パチュリ
調香師は、ティエリー・ワッサー。
(フレグランティカより)
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