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最近とても愛用している香りです。今更ですが、こんなに良い香りだったとは驚き。クリスタルは本当に、「灯台もと暗し」の香りでした。あくまでトワレとしてですが星7。
知ってはいたのに、なんで今まで忘れていたのか、手に取ろうと(所持しようと)思わなかったのか。身近に居て、価格も手ごろなのになぜか縁のないまますれ違って何十年も隔たっていた、でも手にしたとたんにその年月が溶かされていくような、そんな素敵な香りでした。
同じアンリ・ロベールの手掛けた19番の面影もどこかしらありますね(発表年も4年しか違わない。なお19番は昔から大好きな香りです)。
1974年の発売当初は若さの弾けるフレッシュな香りだったのでしょうが、ベースが古風なシプレであるクリスタルは、今はミドルエイジ以降に向いている香りです。ともあれ私のこの夏のメインの香りになりそうです。
元々オードゥトワレットとして調香された元祖クリスタルは、身だしなみ用品のカテゴリであってアート作品では本来ないです。でも波長の合うフレグランスを嗅いだ時の、心の中から虚しさや哀しさが消えていく感覚、それをクリスタルは見事に実現してくれました。
クリスタルEDTの調香師はシャネル2代目専属調香師のアンリ・ロベール。
シトラスのフレッシュさと、シプレの潜んだフローラル。シトラスや明るいフローラルと、モスやウッディのアーシー要素がみごとにコントラストをなして、トワレながらも一つ
の絵あるいは映像を完成させています。木漏れ日の煌めきやそよ風を感じさせるのに都会的でもある。正反対の要素、甘辛バランスを絶妙にまとめ上げた名作です。
甘さもあるのに媚びは欠片も無し。男性も余裕で使えると思います。
まぁこれとて抽象的すぎますが・・・結局言い表せません(笑)。
クラシック香まではいかないものの、ややレトロな本品は今風の香りとは違います。
クリスタルの香りは、若年時分は、私の年齢からしても「やや歳上〜親世代が使う香り」のイメージでした。(発表年の1974年は私は7歳です)
子供時代に(鏡台というよりは洗面台から)なんとなく香ってきたり、大人たちから香っていた香りのように思います。必ずしもクリスタルでなくとも同時代の香りの主流は共通香調である事が多いですので。
(ところで19番も、80年代位までは若々しい香りに分類されていましたが、今やマダム香の扱いですもんね)
とにかく、全国のシャネルカウンターで試せる香りなので興味があれば試香するのが一番早いですね。
香りの遷移は早くて、私の肌ではシトラスとフローラル、モスが最初の一吹きから全部出ますが、最初ほどフレッシュ、ミドルで一番甘く(でも本当にさっばり系のヒヤシンスやハニーサックル)、ラストがアーシーかつほのかな甘さ、という感じです。
拡散が強すぎなくて扱いやすい。
シャネルの香りで初めて使い切れるんじゃないかなと思います。
それにしてもトワレとはいってもクリスタルのような素晴らしい香りがこの価格とは、質に比して高すぎるものが多い近年の香水の相場を考えると破格のお得さだと私は感じます。
次は、後年(1993年)制作されたジャックポルジュ作のクリスタルEDPも購入してみるつもりでいます。
でも、オリジナルであるところのトワレはやはり良いと思います。
1970年代から存続する香りというのは市場には大変稀なものとなってきました。願わくば末永く販売されていてほしい香りです。
余談ですが、アンリ・ロベールは、ギ・ロベール(名香を多く手掛けている調香師です)のおじだったのですね。最近まで知りませんでした。
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