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気温が上がり、モノトーンだった街が鮮やかな色に変わってくると、春物のコートや服に合わせて、香りもまた少し軽やかなものを纏いたくなる。アクア・ディ・パルマのアランチャ・ディ・カプリは、この時期から夏に向けて使ってみたいシトラス系の香りだ。
アランチャ・ディ・カプリ。「カプリ島のオレンジ」の意。カプリ島といえば、南イタリアに位置する小さな楽園として有名な島だ。イタリア人も憧れるというその島の特産物はレモン。島名産のレモンリキュール、リモンチェッロは爽やかで香り高く、名物のシーフードパスタにもよく合うという。
別名レモン島といわれるほど、レモンの生産が多いカプリ島。なのに、なぜこのオードトワレは、オレンジなのか?カプリ島には、古くから島名産のレモンや天然ハーブを原料にフレグランスやボディケア商品を作っているカルトゥージアという小さなパヒューマリーがある。そこが主にレモン系の香りを出しているから、向こうを張ったのだろうか?詳細は定かではない。
アランチャ・ディ・カプリは、アクア・ディ・パルマのアロマテラピースパラインであるブルー・メディテラネオ・シリーズの1本だ。このシリーズは、目にも鮮やかなブルーのボトルが印象的で、天然のエッセンシャルオイルをふんだんに用いた心地よい香りを提唱している。1999年にお目見えしたこのカプリ島のオレンジも、さっぱりとしたシトラスの香りで人気があるフレグランスだ。
アランチャ・ディ・カプリをスプレーすると、まず広がるのは爽やかなベルガモットの香り。まんまアールグレイティーの香りがする。ティーノートも添えたのではないかというほどコクもある。そしてすぐ、高いところでレモンとグレープフルーツの酸味が感じられ、同時に低音では、オレンジオイルの果皮の香りが漂い始める。果肉の香りを再現したようなオレンジ・サングインと付け比べると、やや地味なオレンジオイルの香りではあるが、天然のシトラス系ミックスといった感じで広がるトップだ。
やがて5分もすると、グリーンな香りがミドルで広がってくる。プチグレンの青い香り。同時に、アクアティックな雰囲気のベースのムスクも出てくる。ミントのクレジットはないものの、わずかにクールな清涼感もある。カプリ島は断崖絶壁に囲まれた島で、その高台には各国のセレブの別荘が立ち並ぶという。コバルトブルーのティレニア海を見下ろす絶景に、レモンやオレンジの濃い緑がよく映える。その太陽の恵みのような果実から発せられる黄色とオレンジ色の香気が、地中海の潮の香りに乗って鼻をくすぐっているかのようだ。
ラストはミドルとあまり変わらずにフェードアウトする。わずかにキッチンクリーナー系を思わせるオレンジオイルの香りに、グリーンな葉の香り、そこにシャープなムスクが混じり合いながら、3〜5時間ほどで消えてゆく。体温が高めだとトップのシトラスオイルの飛びは本当に早く、5分程度でムスキーな香りに移行するように思う。ラストのムスクにはほんのり焦がしキャラメルの風味も混じり、ユニセックスとはいえ、マニッシュな方に傾いている感がある。長めに香るこのアクアティックなムスクが気に入るかどうかは重要だろう。
してみると、アランチャ・ディ・カプリは、オレンジというよりも、海の潮風の香りといったイメージが強いように思う。それは、カプリ島のもう一つの名物である「青の洞窟」内で見られる不思議な海の色を彷彿させるような。
世界的にも有名な「青の洞窟」。だが、海上からボートで入るその入り口が高さ1mほどと極端に狭く、半分海中に埋もれていることは意外に知られていない。その日の天候次第で入れないことも多いといういわくつきの場所だ。4〜5人乗りの手漕ぎボートに乗った客は、船底に仰向けに横たわった姿勢になる。そして、船頭が引き潮のタイミングを見計らって一気にロープを伝い、海食洞内にボートを滑り込ませる。と、そこはぽっかりと広がった暗闇の空間。ただ海水だけが美しいネオンブルーにぼうっと光り輝いている。それは、海底にあいた穴を通して透過した外界の光が、暗闇の中で鮮やかに浮かび上がった神秘的な色彩。まるで海中からライトアップしているかのような不思議な光景だ。さながら、青い炎が幾重にも重なってゆらゆらと揺らめいているかのように。
燦々と降り注ぐ南イタリアの太陽の恵み、オレンジの香気。そして、それとは対照的に、暗闇の中で青白く光り輝く海の匂い。この2つはどちらもアランチャ・ディ・カプリに込められているのだろう。地中海の風を感じさせる紺碧のボトルの中に。
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