ラルチザン パフューム / ピマン ブルラン(情熱的な唐辛子) オードトワレ 口コミ

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Cookieyukiさん
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5購入品

2020/3/22 11:30:42

トップはシシトウまたは収穫前の唐辛子の香り。種のプチプチ感まで伝わってくる。シシトウの中にはたまにとても辛いのがあって、その極悪な奴はこんな匂いがする。

近所に中南米出身者がたくさん住んでいるので、彼ら御用達のスーパーマーケットに時々行く。色、形、辛さの違う色々な種類の唐辛子がある。ピクルスにし、詰め物をし、乾燥させてスパイスとして使うなど食卓には欠かせない。生のものをあれこれと興味本位で手に取って嗅ぎ比べてみる。ピマンブルランは肌の上で開催される唐辛子祭り。

唐辛子の刺激にハマった西洋人が種を持ち帰りヨーロッパで撒いたが、風土気候の違いで収穫出来たのはずっと大きく全く辛くないものだった。その失敗作がとても美味しいと評判になり、本格的に栽培が始まり、品種改良を重ねて、現在のピーマンやパプリカになったらしい。見かけと味が違っても唐辛子皆兄弟なのだ。

万国唐辛子博覧会が終わりに近づくとポピーの花の香りが。ヒラヒラした金魚の尾びれを思わせる可憐な花びらに似合わず、ポピーの花そのものは苦味、僅かなスパイシーさ、土の匂いが混ざった野性的なフローラルノートだ。あえて言えば華やかさを抜いたカーネーションか。ポピーから花の精油は取れないので、あくまでも人工的に作られたアコードだが、よく再現されている。

チョコレートとカカオはこの香水の名脇役としていい仕事をしている。お菓子の甘ーい香りを想像すると全く期待外れだが、まどろみたくなるようなコクと深みを与えている。小春日和の中でつけてのんびりと日向ぼっこしたい。

この場合チョコレートとカカオは楽器に例えるとビオラか。弦楽四重奏はバイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスからなるが、「ビオラの音色は?」と聞かれてすぐに思い浮かぶ人は少ない。弦楽器を習うというと大体バイオリンで、ビオラを初めから選ぶ人もあまりいない。そんな地味なビオラだが、それ抜きの弦楽四重奏の曲は何とも味気なくて聴けたものではない。陰影やグラデーションを全く使わないでメークを仕上げたようなものだ。

シングルノートだが変化がない訳ではない。唐辛子のスパイシーな香りは最後には弱くなり、僅かなカカオと共に柔らかく繊細なバニラ、アンバー、シナモン、グローブ、ムスクが残る。最初のインパクトに反する優しく柔らかい香り。干したての洗濯物のようにふっくらとしている。お日様の匂いの中に無邪気に飛び込みたい。悪戯な子猫みたいに。

実はチョコレートは唐辛子と仲良しで、中南米出身者には当たり前の組み合わせ。どちらも生まれ故郷は中南米、料理の世界で出会いモーレソースというソースになった。モーレという言葉自体がソースという意味なのでモーレソースというのは変というツッコミは置いておいて、それはメキシコでは知らない人はいないほどのポピュラーもの。

ある時メキシコ人の友達に日本のチョコレートトンカツの話をしたら、「肉とチョコレートの組み合わせなんて当たり前だよ」と言い返された。そんな彼にとっては小豆に砂糖を入れて食べるのが理解不能である。豆は煮込みにするから絶対塩味だそうだ。

「唐辛子とチョコレートのソースを肉にかけるなんてキモっ」「豆に砂糖の方がよっぽどキモい!」と意地になって言い合ったあと、そんなに言い張るならとメキシコ料理店に食べに行った。

出て来たのは焼いたトリのモモ肉に、一瞬八丁味噌?と思う焦げ茶色のソースがかかったもの。黄色いご飯と塩味の煮豆が添えられている。勇気を出してパクッ。「あれ?美味しい!」確かにチョコレートだが、辛くない唐辛子を筆頭とする他の材料とうまく溶け合ってコクがあってイケる。気に入ってしばらく食べに通った挙句、ついに自分で作りだした。

色々な作り方があるが、私が作るのは...
みじん切りにした玉ねぎを油で炒め、水で戻した辛くない干し唐辛子を加える。荒く切ったアーモンド、スパイス、塩、胡椒と合わせてブレンダーにかけてペーストにする。甘味の付いていないチョコレートのブロックをカチ割ったもの、潰したトマト、干し唐辛子の戻し汁を入れてしばらく煮込む。ピマンブルランにソースの香りそのものが似てるのではないが、材料の香りが香水から時々ポロポロッと出てくるのが楽しい。料理中につけてここまでしっくりきて邪魔にならない香水も珍しい。

メキシコ人の友達にはしばらく会っていないが、次に会った時はお礼に日本からのお土産を持っていくつもり。お菓子がいいな。でも砂糖なんて許せない、豆には絶対塩って言ってたよね。

じゃあ、試してみて。塩羊羹。

シングルノート: チリペッパー、アンバー、シナモン、ムスク、ポピー、バニラ、チョコレート、カカオ、クローブ

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