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資生堂から出ていた元祖フェミニテデュボアのレビュー。
手首がワキガに。
ショックだ。ワキガは腋から匂ってくるものじゃなかったっけ?そんなの絶対認めたくない。これはさっき削った色鉛筆の木の部分の匂いだ。
いや、違う。
近所の中南米出身の家族がスパイス使って料理してるのか?クミンやクローブを小さな石臼で引いた後に油で軽く炒めて香りを出してから他の材料を入れるので、時々隣からこんな匂いがする。
でも彼ら留守じゃん。
やっぱり自分からだ。クミンの混ざった削った木みたいな匂い。クミン自体の匂いは好きだし食べ物に入っていても美味しそうに感じるけど、自分から漂う匂いとしてはちょっと遠慮したい。
フェミニテデュボアをつけた第一印象がソレ。怖くて誰も指摘してくれないけど実は体臭がクサいという人になったようで落ち込んだ。つけてすぐは接着剤みたいなツンとした匂いだったし。こんなに惨めになるなら洗い流そう。いくら時代を作った衝撃的な作品でも合わないなら意味はない。
気を取り直して嗅ぎ納めにもう一度クンクン。
!!!
手首だけがいい女に。
ふんわりとしたなんとも女性らしい香り。いい香りを纏っているというよりも肌そのものが匂い立つ感じ。化粧、香水、洋服で着飾ったというのではなく。一糸纏わぬビーナスの香りってこんなものかもしれない。美術館に飾られている歴代の名匠が描いたきめ細かくむっちりとした裸婦の肌の香りだ。
スミレ?桃科のよくわからない果物?子供のころお利口にしていた時だけご褒美に買ってもらえた葡萄味の風船ガムの大人バージョン?正体のわからない優しくほんのり甘い香りがシダーウッドの上に乗っている。
ミドルノート以降は香料がはっきり嗅ぎ分けられない。材料を混ぜてサラダを作ったというより香料を合わせてシェイクしたカクテルという感じだ。ここまで心地よい匂いだったら、もう何が入るかなんてどうでもいいです。
シダーウッドは男性香水によく使われるだけあって、ある程度の甘さはあるものの男性的要素の強い香料だ。私は近年アロマセラピーにはまって精油を集めてブレンドするのを趣味にしているが、シダーウッドは何と混ぜても力強さ、生命力、骨太さが出る。そんな屈強なシダーウッドからこんな女性的で繊細な香りが作れるなんて驚きだ。
女性性と男性性が境界線がなくなるほど溶け合ったかのよう。もともと女性の中にも男性性があり、男性の中にも女性性がありどちらが強いかは人によって異なる。そして女性性と男性性の間に明確な線引きができるものではない。そうした事実が確信を持って香りに集結している。ゴツいシダーウッドの皮を剥いだら中の人は美しく可憐な妖精でしたみたいな。
1992年発売のフェミニテデュボアは時代を作った香りと言われるのもわかる気がする。確かにそれまでもシダーウッドは女性向け香水によく使われていたが、ベースノートとして、さもなければ軽くふわふわして浮き足立つ香りに奥行きを与える目的で使われてきたのがほとんどだ。シダーウッドを全面に出しているのは男性向け香水ばかりという時代に、調香師のウッディを表に出しつつ女性性を強調するというチャレンジは見事に成功している。
実のところ香りそのものに性別はない。時代、文化、年齢層などのそれを取り巻く環境によって男性用、女性用、ユニセックス用か分類されているだけ。面白い例だとイヴ・サンローランのリブレはアメリカでは女性用、日本ではユニセックス用になっている。
但し香りそのものから受けるイメージは確実にある。某雑誌で行った実験。様々な人が色々な香水を手首につけ、目隠しをした被験者達に嗅いでもらいその人物像をイメージするというもの。
するとシトラスのコロンからはスポーティでさわやかな人、クラシックで重厚な香水からは威厳のあるビジネスマン、華やかなフローラルノートからは綺麗なお姉さんを皆想像した。そこで種明かし。そのフローラルノートを付けていたのはお腹のでっぷりとした無精髭の中年男性だったというオチ。
喋っても残念な人と言われるワタクシ。フェミニテデュボアをつけてみよう。エレガントで優しげで芯のある素敵な女性だと誰か勘違いしてくれるかもしれない。
トップノート: シダーウッド、カーネーション、シナモン、ハニー、ジンジャー、ローズ
ミドルノート: プラム、ジャスミン、カルダモン、クローブ、ビーワックス、オレンジブラッサム、バイオレット、ピーチ
ラストノート: シダーウッド、シナモン、ベンゾイン、ムスク、サンダルウッド、バニラ
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