セルジュ・ルタンス / Fille en aiguilles(松林の少女) 口コミ

ルタンスの香りは夏場に、特に湿気の多い日本の夏にしっくりくるものはないのでは、、と、ずっと思い込んでいました。が、まさかこの濃い香りがぴったりはまるとは、、

この香りとは出会いが最悪。冬場、はじめてルタンスを試しに出向いた香水店、うきうき気分でいくつか試した後でしたが、この香りをムエットに取ろうとしたとき、吹き出し口が逆を向いていて大量に手に噴きかけて、、。想像以上に濃いお寺の香り、、私の中では完全に60歳以上の方から薫る上品な加齢臭というイメージになってしまった。。（この時はjeux de peau を選びました）

その後、２年ほど空いて夏場に何となく試したところ、なんてさわやかな松の木！そして上品な印象は変わりませんが、加齢臭じゃない！笑
温度、湿度が高いときの方が、松の香りがたちやすいようです。おなかにシュッとした部分と、腕の内側につけたときでは、おなかからの方が松、杉などの木の香りを強く感じました。
トップのきりっとした松が柔らかくなってくると、ドライフルーツの甘さと、ペッパーが混じり合ってきます。それでも松。なにかハーブっぽい葉の香りも続きます。最後のスモーキーさはルタンスのセンス。少し苦みのあるスパイスが、良いアクセントになっています。お寺の奥の方からひっそりと漂う抹香のような、、
昼間にも夜にも合うと思います。が、ルタンスのイメージ画にもあるように、光は全く感じられません。個人的に落ち着く香りなので寝香水にもつかっています。
子供の頃からよく松ヤニのにおいを嗅いでいるので、安心するのかも。。あと、Filleと名付けられていますが、風のない森の空気のようで、人間味は感じない、、ですが女性の方がこの香りは似合う気がします。

重ためな香調の多いルタンスの中で、まさかのすっきり感でした。そして飛ぶのが早いということにも驚き。私の肌では、夏、２時間程度でうっすらとした残香程度になりました。
冬場だと重厚感のほうが出て、松のすっきりとした香りを押し込めてしまうのかもしれません。
いずれにしろ、夏に合うルタンスを見つけられて嬉しい！

大好きな香りがまた一つ増えました。

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