資生堂 / 禅 オーデコロン 口コミ

体温高め。
とても古風な和の香りです。昔のTHEシプレといった感じの香水です。
でも個人的には「クラシック香水」としての枠で好きなんですよ。
クラシックさを感じるオークモスを使ったシプレ。topはみずみずしい爽やかなフローラルさが出てきて思いの外、透明感と軽さを感じられます。ウォータリーなすずらん混じりのグリーンさを感じます。ガーデニアはさほど感じられないのでほんのりと甘い程度に収まっています。
ミドルからはオークモス？苔の香りが加わりシプレらしさがぐっと出てきます。ラストにお線香というか、抹香のニュアンスのある畳の部屋の空気のような香りになり一番最後に苔とムスクの香りが肌に残ります
。EDCですが持続はEDT並みにはあります。そしてごくたまにしかつけないので何年経ってもたっぷりとあります...。

肌寒い時ににつけるのが一番好きです。秋の涼しさから晩秋に近づく頃とか暖かくなりきらないこの時期とかぴったりです。温度でいうと15℃位が個人的にベストです。


欧米のクラシカルな名香をここ最近使っていたからでしょうか、明らかな違いがあります。
まずはその軽さ。欧州のフォーマルにしか使えないようなどっしりとした重厚さとは違い、禅のクラシックでありながら水のように軽やかに爽やかな香り立ち。覚悟してからつけないといけないような身構えてしまう感じがなくて大変良いです。敷居が案外低いと言うか...？懐かしいようで身近に感じるノスタルジーと言いましょうか。
終始その軽さは維持されてまるで上質な線香のようです。（線香って色々と種類あって香り良いものもたくさんあります）
例えるならば一つでその空間を華やかに彩るけども反面その場を支配してしまう豪奢で荘厳な名工が作ったアンティーク家具の欧米、方や禅は主張はありつつもあくまで部屋の一部として彩りを添える床の間に置かれた楚々な白い花が咲く小盆栽。そのくらいの大きさな差があります。


これが資生堂のオリジナルの禅ですが香調が時代からとり残された化石のような香りであることも否めません。オシャレする時には向かない香りかも知れません。しかしながら線香という文化があるからでしょうか、家でゆっくり燻らせたいような香りです。あと着物を着る時にも似合うでしょう。資生堂は花桜もですが日本的な奥ゆかしい香り方をする香水を作る技術は持っているので、名香としてずっとこれからも細く長くでも守り続けていってほしいです。

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