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2012/4/21

今年こそ口紅の時代に!? 市場動向レポート

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今年こそ口紅の時代に!? 市場動向レポート

マスカラやアイライナー市場が活性化し、アイメークに主役の座を奪われていた口紅だが、ここにきて巻き返しをはかりつつある。江戸時代からメークの王道は口紅であり、化粧品業界では「口紅を制したところが№1になる」とさえ言われていた。口元に色が戻りつつある今こそ、化粧品市場の本質が見えてくる。

○発色とうるおい感は当たり前 グロスユーザーの取り込みも

「今年こそ口紅の時代になる」と言われながらも、リベンジを果たせなかった口紅だが、ここ数年は復活劇が着々と進んでいる。

日本ではアイメークとリップメークがバランスをとりあいルックが生み出されていく。両方の色が強く打ち出されることは国内メーカーの場合は稀である。1980年代後半から1990年代前半は鮮やかな色の口紅がルックを彩ったものだが、それ以降は眉やまつ毛のメークに関心が移行し、口元の色は控えめになった。ここ5年間、アイメークは微増で推移したと言われているが、つけまつ毛ユーザーの増加など、マスカラやライナーでは実現不可能な演出領域に達し、「これ以上は行きようがない」(メーカー)ところまできてしまった感がある。

このタイミングで口紅の大型新製品が続々投入されたこともあり、各社が発表するルックでは口元がクローズアップされることになった。今春夏のルックの中にはアイメークを控えめにして口元の色を強調したブランドもあり、日本ではなかなか受け入れられなかった赤い口紅でさえ、若い層は抵抗なく取り入れている。最近の「赤」はシアーで透明感があるため、日本人の肌にのせても違和感を感じさせないのだ。

「トレンドでは、アイシャドーは肌なじみのよいベージュとブラウンが不動の人気」(メーカー)であり、口元に健康的な色をのせないと顔色が悪く見えてしまう。アイメークとのバランスで口元に色味が戻ってきたとも言えるだろう。
この15年間で口紅の使用感は大幅に改善された。以前は落ちにくさとうるおいは相反するものとされ、落ちない(落ちにくい)口紅は唇の乾燥が気になったものだ。一方でシアータイプの口紅はつけたての色を維持するのが難しいとされていた。相性のよい口紅を探し求める“リップジプシー”も少なくなかった。

姉妹紙「週刊粧業」が、20~30代を対象に実施した消費者アンケート調査によると、口紅に対する不満点について最も多かったのは「落ちやすい」で、42%に達した。以下、「つけたての色が持続しない」(27.6%)、「味や匂い」(22.4%)と続く。

しかし現在、市場に流通する口紅の大半は色もちのよさとツヤ、うるおい感を兼ね備えている。このため、10年ほど前から市場に定着したリップグロスのユーザーも取り込みつつあるのだ。
リップグロスの洗礼を受けた10~20代の中には口紅(リップスティック)を使ったことがない人が少なくない。口紅でこの層を着実に取り込むにはグロスの持つツヤやうるおいのある仕上がりが欠かせない。さらに、アイシャドー、マスカラ、アイライナーと、アイメークに時間が割かれる現代女性はリップメークを簡単に済ませたい傾向にある。このため、リップライナー市場は頭打ちにある。最近のトレンドである「時短メーク」がこれに拍車をかけた。【提供元 週刊粧業】

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